コレステロールゼロの植物油ってどんな油?
スーパーで植物油を見ると、「コレステロールゼロ」と書かれている商品をよく見かけます。
なんとなく「体に良さそう」と感じてしまいますが、この表示、本当に意味があるのでしょうか?
そもそもコレステロールとは?
コレステロールは、動物に存在する脂質の一種です。
細胞膜やホルモンの材料として重要な成分ですが、過剰に摂取すると動脈硬化のリスクを高めることが知られています。
一方で、植物にはコレステロールはほとんど含まれておらず、代わりに存在するのが植物ステロールです。
植物ステロールは、コレステロールの吸収を阻害することが報告されています。
植物油はもともとコレステロールゼロ
ここが重要なポイントです。
植物油(菜種油、大豆油、オリーブオイルなど)は、原料が植物なので、もともとコレステロールを含みません。
つまり、
👉「コレステロールゼロ」は特別な特徴ではなく、当たり前の性質
ということになります。
私も学生の頃、スーパーでこの表示を見て、「これって当たり前では…?」と違和感を覚えたのをよく覚えています。
それでも表示できる理由
ではなぜ、わざわざ表示されているのでしょうか?
食品表示法では、以下の条件を満たせば「コレステロールゼロ」と表示できます。
- コレステロールの量が5 mg/100 g未満
- 総脂肪酸に占める飽和脂肪酸の割合が15%以下
このため、コレステロールを含まない植物油でも、
飽和脂肪酸が高い場合にはコレステロールゼロ表示はできません。
飽和脂肪酸が条件に入っている理由
ここで少しだけ専門的な話を。
飽和脂肪酸とは、分子内に二重結合をもたない脂肪酸で、パルミチン酸やステアリン酸など代表例です。
一方、不飽和脂肪酸は二重結合をもつ脂肪酸で、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などが挙げられます。
どちらの脂肪酸も生命活動に必要な成分ですが、
飽和脂肪酸を過剰に摂取すると、血中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を増加させることが知られています。
そのため、飽和脂肪酸の量もコレステロールゼロ表示の条件に含まれているわけです。
私見ですが、飽和脂肪酸15%以下という基準は、厳しめに設定されていると思います。
この基準を満たさない油脂であっても、すべてがLDLコレステロールを上昇させるわけではありません。
「ゼロ表示」の落とし穴
「ゼロ」と書かれていると、つい安心してしまいますよね。
しかし実際には、
- 植物油はもともとコレステロールを含まない
- 表示できない油脂の中にも有用なものがある
という点に注意が必要です。
例えば、米油は飽和脂肪酸が約18%含まれる(日本食品標準成分表2015年版)ため、この基準を満たせません。
しかし、γ-オリザノールやトコトリエノールといった抗酸化成分を豊富に含んでおり、機能性の高い油として知られています。
また、コレステロールゼロであっても、油脂は高カロリー(9 kcal/g)です。
「たくさん摂ってよい」という意味ではありません。
まとめ
- コレステロールゼロは、コレステロールが少ないだけでなく、飽和脂肪酸の割合も一定以下のときに表示できるものです。
- 表示がない油でも、体に悪いとは限りません。むしろ有益な成分を含むものもあります。
- 油は高カロリーなので、「ゼロ」に関係なく、適量を意識することが大切です。
👉 「ゼロ」に惑わされず、油はバランスよく選ぶことが大切です。
吉永

